言ノ葉ノ森TOP>INDEX(もくじ)>シンプルINDEX>第3話(イマココ)
「……ぅ……ふにゃ……っくしょいっ!」
その瞬間、真っ裸で異世界到着……という羞恥心よりも、濡れた身体が外気に触れたことによる生理現象の方が先に来た。
何だかいつもと違うヘンなクシャミだな……と思いながら目を開けると、そこには例の超絶美麗眉毛……じゃなくて、異世界の美姫・フローラの姿が……。
(お、終わった……。俺の異世界ライフ、こんなことで終了なのか……)
だが、フローラは顔を赤らめることも嫌悪に顔を歪めることもなく、予想外の言葉を口にしてきた。
「まぁ!ニャンコさん……ですの?私、確かにアーデルハイド様を召喚したと思いましたのに……。不思議ですわ……」
(……は!?ニャンコ……!?)
そこで俺はようやく気づく。いつもと視点の高さや身体の感覚が違うことに……。
ぎょっとして見下ろすと、俺の全身はいつの間にかモフモフの毛に覆われていた。
腹の辺りは白、脇っ腹から脚にかけては濃淡の違うオレンジがかった茶色の毛がしましまの模様を描いている。
(こ、これはまさか……)
おそるおそる目線を上げると、そこにはフローラの手のひらより、さらに小さくほっそりとした、紛れもない
「ニャン……だとおぉーっ!?」