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 言ノ葉ノ森TOPINDEX(もくじ)シンプルINDEX>第3話(イマココ)

第3話:マスコット・キャラは勇者が兼任・6

 アワアワする俺をリィサはしばらくの間、ナニを考えているのかよく分からないボンヤリ顔で見ていたが、ふいに思いもよらない提案をしてきた。
 
「あのぉ……せっかく猫さんになったのでしたらぁ、その姿を利用してぇ、ちょっと調べ物に協力してもらえませんかぁ?」
 
「は!?何でだよ!?あんた、一体何を調べて……」
 
 言葉の途中で、リィサがひょいと俺を抱え上げた。そのまま俺の猫耳に唇を寄せ、ひそめた声で秘密の話を語りだす。
 
「実はぁ、先日あなたが捕まえましたぁ元・犯罪組織のボスなんですがぁ、いろいろと不審な点がありましてぇ……。実はあのボスを陰で操ってぇフローラ王女に危害を加えようとした黒幕がぁ、他にいるのではないかとぉ……」
 
「は!?何だソレ!?あのボス、ただの酔っ払いじゃなかったのか!?」
 
「フローラ王女の能力に対する恐怖がぁ本能レベルで染みついているこの国の住民がぁ、酒に酔った程度でフローラ王女に闘いを挑むのはぁ、ヘンなのですぅ。それにぃ、あのボスの手足の痙攣とぉ、特徴的な眼球振盪……。前に私はぁ、診たことがあるのですぅ……」
 
 そこでリィサは、ためらうように一旦言葉を切り、俺の目をじっと覗き込んできた。
 
「まだ推測の段階ですのでぇ、他言無用に願いますがぁ……あれは、洗脳……いぃえ、心を作り変えられた人間のぉ……症状なのですぅ……。この世界でぇ人間の心を作り変えるような力を持つものはぁ、ただひとつ……八聖玉のうちの一つ、心聖玉のみ、なのですぅ……」

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このページは津籠睦月による異世界召喚Web小説「ブラックホール・プリンセス」
シンプル・レイアウト版第3話その6です。
用語解説フレーム付きバージョンはもっと先までストーリーが進んでいますが、
シンプル・レイアウト版は後から制作しているため、ストーリーが遅れています。
 
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